外国人をどう育てるか

先日、十年来の友だちとご飯を食べながら、たまには真面目に仕事の話をしました。彼は印刷会社に勤めていて、いつの間にか偉くなって取締役をしているのですが、彼曰く「ここ最近、AIが導入されたことで、今までできなかったことができるようになり、逆にできていたことができなくなったりしている」とのこと。ソフトやアプリケーション、フォント等、変化の激しい世界の中でより競争が増して、人の入れ替わりも激しく、ついて行けない会社や人間は脱落していくしかないそうです。

そんな日進月歩の業界に比べると、介護は遅い業界だなと思わせられました。ベッドセンサーマットや介護記録アプリなど、多少なりともテクノロジーの恩恵を受けている面はありますが、現場は今でもアナログです。良くも悪くもあまり変わらない。そのことについて、個人的には好意的に捉えています。昨日正しかったことが今日は間違いになる世界では、誰もが安心して働けず、腰を据えて従事しようとは思えないからです。変わらない遅い業界のおかげで、湘南ケアカレッジを開校してから13年間、私たちはほとんど変わらずにやってこられました。

 

ところが、気づいてみると、介護の世界も少しずつ大きく変わっているのです。2013年は介護職員初任者研修だけで500名以上の生徒さんがいましたが、2025年は200名程度。介護の学校が増えて、競争が激化したからでもありますが、そもそも全体のパイ自体が少なくなっているのが実感です。どこかの学校がひとり勝ちしているのではなく、どこもが苦戦しているというか、負け戦をしている現状があります。

 

私はこの世界に25年ほどいて、世の中の景気によって介護教育の世界は浮き沈みの波があることは知っているのですが、最近これは波ではなく単なる衰退なのではと感じるようになってきました。遅々として変わらない業界にあぐらをかいて、のんびりと変わらずにやってきましたが、いつの間にか介護の業界に人が(正確に言うと日本人が)来なくなったのです。

 

この先、景気が多少悪くなろうとも、介護の世界に入ってくる日本人は極めて稀になるでしょう。なぜなら、働き手の人口減少に伴って、他の業界においても人が足りず、仕事はいくらでもあるからです。いつまでも日本人相手に介護の入口となる教育を提供しているだけでは商売にならない。さすがに時代の流れに鈍感な私でも気づくほどの大きな変化が起こっているのです。

 

 

介護施設や事業所を運営されている皆さんは、気づいているのでしょうか?これからも介護の仕事のニーズはたくさんありますが、働き手はほとんど来なくなります。来ないばかりか、今いる人たちも他の業界に移っていきます。テクノロジーの影響を受けにくい反面、どうしても人の手を必要とする労働集約型の現場なのに、人が圧倒的に足りない。あと数年もすれば、そのような状況が訪れます。私たちのような学校は入り口です。その先にある施設や事業所に波が訪れるのは少し後です。今から準備しておいてください。できることはただひとつ、特定技能の外国人の人たちを受け入れて、大切に育てることなのではないでしょうか。学校としても、これからは外国人をどう育てるかを施設や事業所、登録支援機関等と一緒に考えていく時代になると思います。ぜひ先生方もお力をお貸しください!