ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の本当の違いについて(前編)

介護職員初任者研修がホームヘルパー2級講座に取って代わった理由については先日書いたので、ホームヘルパー2級講座と介護職員初任者研修の細かい部分の違いに触れてみたいと思います。そもそも何がどう違うのか、介護の現場の方々にでさえ、意外と知られていないのです。両者の違いを分かりやすく表にしてみると、以下のとおりです。


HH2 介護職員初任者研修
研修時間
130時間
スクーリング日数

  12日間

(実習4日間含む)

15~16日間
科目 24科目 38科目
実習 あり 基本的になし
通信学習 最大52時間 最大40.5時間
料金
8万円前後
10万円前後

 

大前提として、研修の時間はどちらも130時間で同じです。ただし、通信形式で研修を行なう学校は、通学(スクーリング)の日数が変わってきます。ホームヘルパー2級講座の場合は実習を含め12日間、そして介護職員初任者研修は15日間です。通信添削で補える時間数が減ったため、教室に足を運ばなければならない日数が増えたということです。科目は14科目も増えています。実習は学校の任意ではありますが、基本的になくなったと考えてよいでしょう。そして、何といっても、通学(スクーリング)の日数が増えたことで、料金を高く設定し直した学校が増えました。

 

ここまでは、事実を並べただけの、ありきたりの話です。でも、せっかくなので、もう一歩踏み込んでみましょう。このエントリーを書くにあたって、できるだけ公平な視点をもって、ホームヘルパー2級講座と介護職員初任者研修の良いところ・悪いところを直観的に書き出してみたところ、以下のようになりました。

 


HH2 介護職員初任者研修
良い点 ・授業日数が短い
・名前が分かりやすい
・実習がある
・テストがない
・授業時間(内容)が充実している
・授業内容が更新されている
・実技の時間が長く取れる
・確認のテストがある
・介護福祉士へつながりやすい
・実習がない

悪い点 ・授業日数が短い
・内容が古い
・確認のための時間やテストがない
・実習がある
・名前が分かりにくい
・授業日数が長い
・テストがある
・実習がない

 

驚くべきことに、それぞれの良い点・悪い点が、悪い点にもなり、良い点にもつながることが多かったのです。つまり、授業時間が長くなった分、研修全体としては充実した内容になるという側面もあり、テスト(修了試験)がある分、きちんと身についたかどうかの確認ができるということでもある。変更された点をどう受けとめるかで、良い点にもなり、悪い点にもなるということです。個人の解釈の違いと言ってしまえばそれまでなのですが、ホームヘルパー2級講座と介護職員初任者研修をどちらが良いと思うかは、冷静に考えてみて、人それぞれだと思います。

(中編へ続く)