ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の本当の違いについて(後編)

今回、ホームヘルパー2級講座から「介護職員初任者研修」に移り変わるにあたって、大きく変わったのは、やはり修了試験ができたということでしょう。お問い合わせの中でも、修了試験があるのですよね…、という方は多くいらっしゃいます。受けなくてもよいなら、試験を受けずに修了したいと思うのは人の常だと思います。そのお気持ちはよく分かるのですが、立ち返ってみると、そもそも修了試験のない資格って、一体何だったのでしょうか

介護の仕事は、人の命を預かる仕事でもあります。その方の人生に寄り添い、こころまでを看取る仕事でもあります。だからこそ、やりがいはあるし、本当の意味で「ありがとう」と言ってもらえる仕事なのだと思います。そんな仕事を始めるにあたって、有資格者を名乗る人が、今までは学んだことを習得したかどうかの試験を受けていなかったということです。たとえば、車の免許を取るとき、最後に試験ってありますよね。

 

もちろん、ほとんどの仕事は、現場でやってみて、身体と頭で覚えていくのだから、研修でできることは限られているのかもしれません。それでも、せっかくお金を払って学んでいただけるのであれば、少しでも実際の現場やご家庭で使えるような知識や技術を体得してほしいですし、有資格者と胸を張って言ってもらいたいです。そのためには、やはり修了試験はあった方がいいなと思う今日この頃です。

 

ただ、修了試験といっても、司法書士や保育士みたいに合格率○○%といった類の試験ではありません。合格者と不合格者をふるい分けるための試験ではなく、あくまでも確認のための試験です。研修で学んだことが身についているかどうかの確認です。ちなみに、70点以上で筆記試験は合格となります。授業中に寝たりせず(まあそんなことはないでしょうが…)、普通に授業に参加していただければ、合格できるように教えさせていただきます。もし、万が一、不合格になってしまった場合は、再試験を受けることもできますので、ご安心ください。

 

それから、もうひとつ大きく変わったのは、受講料の問題です。ただし、「介護職員初任者研修になると受講料が高くなりますよ!」って大きな声で告知されていますが、それはあくまでもその学校の話です。受講料については、それぞれの学校ごとに異なるため、全ての学校の受講料が上がるわけではありません。受講料が高くなる学校で受けたら、そりゃあ受講料は高くなります。さすがにこれ以上は書きませんが、これだけは言わせていただくと、受講料が高い=サービスが良かったり、フォローアップ制度が充実したり、授業内容が優れていたりするとはゆめゆめ思わないでくださいね。それぞれの学校の特長をぜひ比べてみてください。

 

まだまだ書き足りないことはありますが、最後に、今回の変更を通して感じたことは、ほとんどの学校は公平な情報を提供していないということです。とにかくホームヘルパー2級講座を3月までに取らせることに熱心で、ホームヘルパー2級講座と「介護職員初任者研修」のメリットとデメリットのそれぞれを公平に伝え、自分にとって良い方を選んでもらおうという姿勢の学校は、私の知る限り皆無でした。「いつ受けるの?今でしょ!」みたいなのは、今の風潮なんですかね(笑)。今回、それぞれが行なったことが、それぞれの首を絞めることにならなければいいなと切に願います。「湘南ケアカレッジ」は、いつまでもオープンかつ透明で、公平で、正しいままでありたいと思うのです。