「みのもんたのサタデーずばット」に登場

先週土曜日の朝、湘南ケアカレッジが「みのもんたのサタデーずばット」に登場しました。「みのもんたの朝ズバッ!」の土曜日バージョンですね。今回の特集は、介護現場で働く方のうち、20代から50代の方だけではなく、定年退職をされた60歳以上の方に焦点を当てたものです。実際の介護現場や人材派遣機関、そして現場で働くために学校へ通っている方への取材ということで、学校として湘南ケアカレッジを選んでもらいました。急な取材の依頼であったことや撮影をしていただいても放送に使われるかどうか分からなかったため、前もって告知しなかったことをお詫び申し上げます。

今回、番組を拝見させていただき、素晴らしい特集だと感じました。正直に言うと、放送された内容があまりにも現実とかけ離れていたり、湘南ケアカレッジの想いと方向性が違っていたら嫌だなと心配していたのですが、全くの杞憂に終わりました。膨大なデータ収集から綿密な取材を経て、全部でわずか20分程度のコーナーではありましたが、密度の濃い番組を制作されているのです。たとえば、湘南ケアカレッジが映ったのはわずか1分程度でしたが、その1分のためにおよそ3時間は取材や撮影をされていました。もちろん、番組によってピンキリなのだと思いますが、さすが報道番組として12年目を迎えた番組ですね。

 

実は私も20分ぐらいインタビューを受けたのですが、実際に使ってもらえたのは10秒程度でした(笑)。言いたいことはたくさんあっても上手く伝えられない、言うべきことを言い忘れている、重要だと自分では思っている部分は放送されない等々、良い悪いは別にして、テレビで自分の言いたいことや真意を伝えるのは本当に難しいと感じ、政治家やスポーツ選手などはいつも複雑な気持ちでいるのだろうなと想像しました。

私が伝えたかったことのひとつに、介護の担い手の人材不足の問題は、「質」でも解決していかなければならないということがありました。人口減少少子高齢社会において、このまま行くと、介護に必要な職員の人数は増え続け、ますます足りなくなることは明白です。足りないものをどう補っていくかと考えたとき、どうしても職員の給与を上げるという発想に陥ってしまいます。給与を上げれば人材が増えるというのは、あまりにも短絡的です。たしかに、そうしていかなければならないですし、それも1つの方策ではありますが、「量」を「量」で解決しようとしても限界があると思います。

 

それでは、どうするかというと、「量」を「量」だけではなく、「質」いう面からもカバーしていくという発想に転換していかなければならないのです。10人足りないから10人入れるというのではなく、介護の「質」を高めることで、2人で行なっていたことが1人で楽に出来るようになるのではないか。しかも安心安楽に。そういう発想こそが大切だと思うのです。2人分の仕事を1人ができるようになると給与も2倍になりませんかねえ。

 

これは決して理想論ではありません。たとえば自立支援の考え方を徹底し、利用者にできることはやってもらう。そうすることで利用者の要介護度が高くなることを防げるだけではなく、介護者の手も空く。現状の介護現場では、まだまだ何でもしてさしあげるというお世話の介護が行き渡ってしまっています。施設などでは時間に追われる余り、全てを介護者がやってしまい、利用者の介護度がさらに高くなり、より介護に時間が掛かっていくという悪循環もあります。そういう流れを少しずつ変えてゆくのです。

 

それは教育の役割でもあります。これから介護の現場で出る人たちが、質の高い介護を提供できるようになる基礎を身につけ、利用者本位、自立支援の考え方を知ることで、介護の世界がより素晴らしいものになり、たとえ少しずつであったとしても、人材不足の問題の解決の糸口になるかもしれません。最高の福祉教育を通して、介護の世界を変えてゆくこと。それは湘南ケアカレッジが社会にささやかに貢献できることのひとつであり、存在意義でもあるのです。