同窓会のように

「湘南ケアカレッジでは実務者研修はやらないのですか?」という質問を、卒業生さんや現在、初任者研修を受講している生徒さんから受けることがあります。その質問に対しては、「やる予定でいますが、早くても来年(2014年度)の秋以降、遅ければ再来年(2015年度)になると思います」とお答えしています。それはまだそんなに急ぐ必要はありませんよという意味であり、湘南ケアカレッジの初任者研修の卒業生が、実務経験を3年積もうとしているまさにその時に、実務者研修をやりますので、同窓会のように集まってくださいねというメッセージでもあるのです。

2018年1月の国家試験から、介護福祉士の受験資格として介護職員実務者研修を修了していることが必要になってきます。実務者研修は6ヶ月の研修になりますので、2017年の6月からスタートすればギリギリ間に合います。もう少し早く、余裕を持って受けたいという方は、2017年の1月ぐらいから受講を開始すれば良いでしょう。もちろん、それまでに実務経験がすでに3年以上あるという方は、2016年中は介護技術講習会がありますので、そちらを受講すれば実技試験が免除になります。つまり、実務者研修を受けるのは、2017年に入ってからがベストのタイミングであるということです。

 

実務者研修は、基本的には介護の実務に就いている方のための研修であり、介護福祉士につなげていくための高度な介護を学ぶための研修でもあります。現在、実務者研修を行なっている学校は、早めの受講をと駆り立てるかもしれませんが、実務経験が少ない段階で実務者研修を受けるのは、正直に言うと、もったいない気がします。研修を受けてスキルアップしたい気持ちは分かりますが、今すべきは、きっちりと現場で実務経験を積んで、利用者のためにできる介護を自分なりに考えることだと思います。そういった過程を経て、そろそろ介護福祉士を目指そうかなと思ったときに実務者研修を受けると学びが大きいはずです。

 

実は、実務者研修は無資格、未経験の方でも(なぜか)受けられるのですが、もはや笑い話ですね。介護の世界にこれから入ろうと思っている方が、テキストを8冊ぐらい渡されて膨大な添削課題を提出させられ、スクーリングに来たらいきなり現場にもとづいた事例を通したケースワークやたんの吸引、経管栄養のやり方を教えられても、戸惑うばかりだと思います。たとえば、サーフィンを習いたいと思って来た方に、それじゃあ大波に乗りにいきましょう!と連れていくようなものです。下手すれば死んじゃいますよ(笑)。まずはボードの上できちんと立てるようになるまで教えるのが、正しくて誠実な導き方だと思うのです。

 

湘南ケアカレッジが介護職員実務者研修を行なうときには、適切な方に適切なタイミングで、適切な受講料で届けたいと思います。生徒さんたちは、自分たちのスキルアップのために、自腹を切って受けに来てくれるはずですから、学校のために研修を行なうのではなく、生徒さんたちにとっての研修にしたいのです。言うは易し、行なうは難しなのは百も承知ですが、これから1年ほど掛けて構想を練り、素晴らしい介護職員実務者研修を届けられるように私たちも頑張ります。