グループワーク

「介護職員初任者研修」には全部で15日間のスクーリングがあり、そのうち5日間は講義形式の授業になります。講義形式というと、大学の授業のような一方的で退屈する授業を思い浮かべてしまいがちですが、そうではありません。もちろん、介護や福祉について知っておかなければならない知識や情報に関しては、こちらからしっかりとお伝えするという形を取りますが、それ以外はグループワークを通して学んでいただくことになります。グループ単位で話し合ったり、一緒に取り組んだりすることで学ぶのです。

湘南ケアカレッジがグループワークという手法にこだわるのは、そこに教育の原点があるからです。教育は英語でEducationと言いますが、Eduとは「引き出す」を語源としています。つまり、教育とは、指導することでも伝達することでもなく、引き出すことなのです。それは学ぼうとする人の中に眠っている、考えや知識や正解に近いものを引き出すということ。引き出すのは、先生であったり、生徒同士であったりしますが、そのためにはグループワークというやり方が最も適しているのです。

 

グループワークを行なうにあたって、実はその中心となる先生には、結構なスキルが必要とされます。もしかすると、単に伝えたり、指導することよりも難しいかもしれません。たとえば、ひとつのグループ内で話し合われていることを聞き、多種多様な事柄を整理し、ある方向に導かなければなりません。また、話が盛り上がっていないグループに入り込んで、話題を提供する必要もあります。あまりにも話されている内容が偏っている場合は、こういった考えもありますよと違う視点も提示しなければなりません。これが正解ですと答えを言うのはなく、生徒さんたちが自ら気づく、発見する瞬間を待つのが大切です。

 

こういった働きをする人のことをファシリテーターと呼びます。先生のファシリテーターの役割として、以下の6つが思いつくところです。

 

・話を盛り上げる(話題を提供する)

・生徒から引き出す、導く

・生徒の発言を褒める、認める

・方向性を正す(変な方向に行かないように)

・生徒の個人的な考え方を知る

・生徒と直接コミュニケーションを取る

 

教育がEducationである以上、先生はファシリテーターでなければなりません。先生は生徒に教えるのではなく、生徒から引き出すのが本当の役割ということです。これは大人だけではなく、子どもの教育にももちろん有効です。日本では、ずいぶん昔から先生が生徒に教えるという一方的な授業が行なわれてきましたが、社会の状況も変わり、そろそろ発信型の授業だけでは時代遅れになってしまう。新しい教育者たちはそのことに気づき、実践し始めているのです。