映画「任侠ヘルパー」

年末年始のお休みで岡山県の津山に帰省しています。津山は岡山県のちょうど真ん中にある盆地なので、夏は暑くて、冬は寒い。普段帰省したときでも何もやることがないのですが、お正月は周りのお店もほとんどやっておらず、実にゆっくりとした何もしないお正月を過ごすことができました。それでもあまりにも暇なので、DVDを借りて来て見ることにしました。以前からずっと観たいと思っていてタイミングを逃していた「任侠ヘルパー」の映画版です。

 

正直な感想から言うと、映画としては面白みに欠けました。最後まで見る気が起こらなかったというか、感情移入をすることが難しかったです。何よりも違和感を覚えたのは、その物語設定です。高齢者の介護や福祉という問題を扱っている傍らで、暴力シーンが散見するという不自然さ。私自身はアクション映画も好きなので、決して暴力シーンが嫌いということではありませんが、この不自然さはどうしても大目に見ることができませんでした。

 

「任侠ヘルパー」のそもそもの成り立ちとして、まったく違うように見えるものを同じにして、通じているところがあると強調することにあります。実は殺し屋である牧師とか、弱そうにみえるいじめられっ子が怒ると最強だったりとか。そのコントラストに私たちはハッとさせられる。人間の一面だけしか見ていない自分に気づかされるのです。そういうキャラクターや物語の設定は人の目を引くためにはありだと思いますが、2つを1つにするためにはしっかりと両者をなじませる人物描写が必要になるのです。

 

「ドラマは面白かった」と友人は言っていたので、私のように映画で初めて観た人にとっては全ての演出が唐突で、不自然に見えてしまうということなのだと思います。ぜひ今度はドラマの方を観てみたいと思います。主人公の翼彦一がどういった経緯で介護の道を選び、その過程でどのような葛藤やドラマがあったのか、きちんと描写してあるはずです。これだけ書いて紹介しておきながら、「任侠ヘルパー」をまだ観たことのない方は、映画ではなくドラマから見ることをおススメします。

 

それからもうひとつ、草彅剛くんには「任侠ヘルパー」とは別に、介護をテーマとしたドラマや映画に出演してもらいたいなと思います。たとえば漫画「ヘルプマン」をドラマ化する際には、にじみ出てくるような優しさや正義感、そして水平な目線を持った彼こそが主人公に適任ではないでしょうか。以前に紹介した漫画「ペコロスの母に会いに行く」も映画化されたようですし、これからは介護の問題を扱った映画もたくさん出てくるはずです。こういった作品を通しても、介護の世界の素晴らしさが少しでも伝わるといいですね。