人を幸せにする職業

介護福祉士は、社会福祉士ならびに介護福祉士法により定められた国家資格のひとつです。介護・福祉の世界に入り、将来的には介護福祉士になろうと仕事に取り組んでいらっしゃる方も多いでしょうし、湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」を受講される方の中にも、3年後には介護福祉士になりたいという目標を持ち、研修に臨んでいる人もいます。受験資格やそれまでの養成課程でごたごたしている現状ですが、こうして働きながら目指していける国家資格があることは大変素晴らしいと思います。

 

福祉の世界の国家資格としては、他に社会福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、看護師などがあります。その中でも、介護福祉士とは、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと」と定義されています。

 

介護福祉士たる者、専門的な知識や技術を持ち、心身の状況に合わせて介護を行なうだけではなく、周りの介護者たちにも適切な助言をしていかなければならないということですね。

 

ところで、介護福祉士の「士」の意味をご存知ですか?辞書には「学問・道徳などを身にそなえた尊敬に値する人物」、「さむらい」、「一定の資格・職業の人」と書いてあります。「一定の資格・職業の人」というのは、そういう資格や職業の人たちが出てきて、あとから付け加えられた意味でしょうから、もともとの語源としては「さむらい」だと思います。そもそも、「士」の漢字は、「さむらい」とも読みます。武士の「士」でもあります。つまり、この「士」のイメージは、望月先生がおっしゃるように、日々の鍛錬によって己の技術や知識を磨き上げていく人。介護福祉士とは、介護の技術や知識を日々の鍛錬によって磨き上げている人なのです。

 

さらに読み進めていくと、介護福祉士の「福祉」とは、「しあわせ」、「ゆたかさ」を意味します。公共の福祉とは、人々の幸せや豊かさということです。介護福祉士の他には、社会福祉士、精神保健福祉士と、「福祉」と名のつく3つの資格があり、これらの資格を持つ人は、人々の幸せや豊かさを担っていると佐々木先生もおっしゃっていました。

 

ずいぶんとハードルが高くなってしまいましたが(笑)、介護福祉士には、介護をするだけではなく、日々の鍛錬を通して技術や知識を磨き、それをもって人々を幸せであり豊かにしていくという意味が込められているのですね。もちろん介護福祉士だけではなく、介護福祉士を目指す人、そして介護・福祉の世界で働く人もそれは同じでしょう。私たちは人を幸せにする職業なのです。