卒業生の笑顔

先日、卒業生が教室に遊びにきてくれました。4月から介護の仕事が決まっていて、つい最近、介護職員初任者研修を修了したばかりの生徒さん。仕事を始めてから2週間が経って、ようやく一息ついて、今日は休みの日だから町田に来たついでに寄ってくれたのでした。まあ卒業生が教室に顔を出してくれるときは大体突然ですから、普段は驚きませんが、さすがに彼女が来てくれたことには驚き、その明るい表情を見て、とても嬉しく思いました。というのも、彼女が最初に湘南ケアカレッジに来たときには、本当は介護の仕事なんかしたくない、研修も受けたくないという気持ちの状態であったからです。

 

講義の授業中に眠ろうとする彼女を起こしたことは1度ではありません(笑)。これから人の命を預かる仕事に就く以上、知らなかったでは済まされないことも多くあり、もちろん研修で習ったことが全てではありませんが、できる限りのことを吸収しようというくらいの気持ちを持って真剣に臨んでもらいたい、と伝えました。ただ座っているだけ、教室にいるだけでは、さすがに資格はあげられないと厳しいことも言いました。もちろん一方的にではなく、それ以外のコミュニケーションをしながらです。その中で彼女は自分の置かれている状況や気持ちを正直に教えてくれました。

 

話をしながら、今は自分の意思に反しているのかもしれないけど、彼女がこの研修に参加していることには意味があるのではないかと思うようになりました。もっと言うと、彼女は実は介護の仕事が向いているのかもしれない、何らかの縁で引き寄せられたのかもしれないと感じたのです。きっかけというのはそういうものです。あとから思うと、とんでもない動機やきっかけで始めたことが、自分の天職や夢になったりすることが多くありますよね。うまく伝わったとは思いませんが、彼女にもそんなことも話しました。そして、たった15日間の研修ですが、研修が終わるときには、「介護って楽しそう、仕事をしてみたいかも」と彼女に思ってもらえるように頑張ろうと心に決めました。

 

そんな彼女が介護の仕事を始め、数週間が経ち、明るい顔をして教室に遊びにきてくれたのです。研修当初の険しい表情はなく、とても素敵な笑顔でした。修了証明書と一緒に送っているクラスメイトの写真も、大事にしまっていると言ってくれました。私たちが変えたなんていうつもりは全くありませんが、心のどこかに眠っていた優しさや思いやりの気持ちを彼女自身が引き出し、自然な形で表現できるようにサポートすることが少しでもできたと思うと、この介護職員初任者研修を私たちがやっている甲斐があったと素直に思えます。これからいろいろと大変なことがあるかもしれませんが、それらを乗り越えて、彼女には介護の仕事を続けていってほしいと願います。