心を揺さぶられる実技

7月短期クラスが無事に修了しました。夏休み前の最後を飾るに相応しい、とても素晴らしいクラスだったと思います。何が素晴らしいって、ひと言で言い表すのは難しいのですが、クラスのメンバーがそれぞれ個性的で、優しくて、にぎやかでしたが(笑)、やるときには一生懸命にやるというクラスでした。生徒さんたちの年齢の幅が広かったにもかかわらず、いつの間にかクラスがひとつになり、最後の実技テストの日は、先生たちも感動してしまうほどの頑張りを見せてくれました。そして最終日には、ひとり1人の言葉が飛び出してくる素敵な色紙までいただきました。私たちの宝物として大切にします。ありがとうございました!

 

今回のクラスでは、湘南ケアカレッジにとっても初めて、実技テストで4つの事例(ケース)に取り組んでもらいました。テスト本番はその中から1つの事例(ケース)が選ばれて実技をしてもらいますが、最後の最後までどれが出題されるか分かりませんので、生徒さんたちは4つの事例を全て練習しなければなりません。生徒さんたちにできるだけたくさんの実技を習得してもらいたいという先生方の熱い気持ちゆえですが、時間的にも、技術的にも、大変だったのではないでしょうか。

 

生徒さんたちは一杯いっぱいだったはずですが、実は先生方も追い詰められていたと思います。全員の生徒さんを合格させるために、ひとりも生徒さんもできないということがないように、このままだと本番では危ないという生徒さんがいたら、できるようになるまで教えなければなりません。わが子を見守るような気持ちで、全力でサポートさせてもらいました。そして、そのプロセスの中で、生徒さんたちがメキメキと成長してゆく手応えを感じたのも先生方だったはずです。

 

テストの途中で橘川先生が涙を流したのは、そんなプロセスを経て行われた本番での実技があまりにも素晴らしかったからだと思います。その生徒さんは外国人の方でしたが、言葉の壁を越えて、利用者が主体の介護を心がけ、相手の気持ちやペースに合わせて丁寧に介護をしたのです。他の生徒さんを評価した小野寺先生は「鳥肌が立った」と褒めていましたし、また別の生徒さんを担当した阿波加先生は「私も現場での声掛けをもう1度見直さなければならない。生徒さんたちに教えられた」と言っていました。

 

先生方が感動するような実技というものがあります。たかがロールプレイの実技で?と思われるかもしれませんが、本当です。それは上手ということではなく、心が伝わってくるということ。午前中から本番まで、時間をかけて繰り返し練習したことによって、心をこめることができるようになったのです。実技の手順や動作、声掛けの言葉を覚えてそれを実行するレベルを超え、そこに本当の利用者がいるかのように介護できたということです。そんな実技を見たとき、先生方の心は揺さぶられます。それは私たちにとっても、生徒さんたちにとっても幸せな瞬間であり、介護の明るい未来が見える瞬間でもあるのです。

メッセージを閉じるとこんな素敵な色紙になります。