「これから次々と個性豊かな先生たちが登場するので、楽しみにしていてくださいね。私なんかは印象がなくて忘れられてしまうかもしれません(笑)」。最初の授業にて、望月先生は生徒さんたちにこう話します。望月先生自身が一度会ったら忘れられない個性の持ち主であるため、にわかには信じられない生徒さんもいらっしゃるかもしれませんが、たしかにその後も光り輝く個性を持つ先生たちが続々と登場することになります。卒業生さんたちはお分かりのとおり、よくぞここまで個性豊かな先生たちが集まったと思います。
それでいて、介護の世界の素晴らしさを伝えたいという想いは共通です。ここが最も重要なポイントですが、それぞれが同じ方向を向いていることで、個性豊かな面々は互いに補い合って良さが出ます。個性豊かな面々が全く異なる方向を向いているとすれば、それは混乱でしかありません(笑)。湘南ケアカレッジに来てくれた生徒さんたちが、「来て良かった」、「介護に対する考え方が変わった」、「介護の仕事をやってみたいと思えるようになった」などと言ってもらえるよう、湘南ケアカレッジの先生方はいつも生徒さんのことを考えてくれているのです。
驚かれるかもしれませんが、ほとんどの学校のほとんどの先生は、他の先生が何をどのように教えているか知りません。これは介護の学校によくある場面なのですが、「えっ、このことについて、〇〇先生から聞いていないの?」「〇〇先生のやり方よりもこっちの方がやりやすいでしょ」という具合に、何気なく他の先生のことを批難しつつ、自分の評価を上げていく。その場では生徒さんたちは「すごい!」となるかもしれませんが、実はあの先生とこの先生の言っていること(教えていること)が違って困ると思っています。こういった場面では、自分が良く思われることではなく、生徒さんたちにとっての良い授業を優先することが大切です。
湘南ケアカレッジの先生方は、3人体制で一緒に授業をすることが多いため、他の先生の授業を見たり、サポートし合ったりして、お互いの良さを理解し認め合うことができます。お休みの日に、他の先生の授業を見学に来てくれる先生もいます。そうやって、まったく違った個性を持った先生方の授業が、一本の線のようにつながってゆくのです。「〇〇先生がこう言っていたと思いますが…」とか「〇〇先生から教えてもらったやり方で…」というセリフが、それぞれの先生の口から出てくることは、生徒さんたちだけではなく、私にとっても安心で頼もしい限りです。初日から2日目、2日目から3日目の先生へとバトンを渡していくような美しい流れ。そんな15日間の介護職員初任者研修を受けることができる生徒さんたちは幸せだと私は素直に思います。