介護福祉士試験のように

3月1日(日)は介護福祉士国家試験の実技試験の日でした。筆記試験に合格された方のみ、実技試験に臨むことができます。昨年は全国でおよそ15万人が受験し、およそ10万人が合格しました。合格率は64.6%と過去最高となっており、それだけ多くの介護福祉士が誕生したということになります。この合格率は全体のそれであり、筆記試験と実技試験のそれぞれの合格率が示されていませんが、おそらく筆記試験は70~80%、実技試験は80~90%の間の合格率ではないでしょうか。


湘南ケアカレッジの「介護職員初任者研修」の中でも実技試験が行われます。第14回目の授業である「総合生活支援技術演習」にて、これまでの授業で習ってきた介護技術を1日かけて総合的に復習し、最後に1つの事例を取り上げて実技のテストを行います。直前にお題が発表され、ひとり5分間の持ち時間で実技を行ってもらい、試験官である先生が10項目において評価をさせてもらいます。

 

まるで介護福祉士の実技試験だと思われた方、その通りです。試験の内容が3つか4つの事例の中から1つが選ばれて行われるのに対し、実際の介護福祉士の実技試験は何が出題されるのか当日になってみないと分からないという違いこそあれ、実技テストの内容や質に関してはほとんど同じです。つまり、たった15日間の研修で介護福祉士の実技試験を受けたら受かるレベルまで持っていくつもりで先生方も教えていますし、生徒さんたちもそのように成長してくれます。特に、実技テストが行われる14回目の授業における、皆さんの取り組みの熱心さや集中力の素晴らしさにはいつも驚かされます。

 

少し大げさに書きましたが、最終日の修了試験と同じく、決して落とすための実技試験ではなく、あくまでも確認のためのテストです。10点満点で評価がなされますが、もし万が一、基準(7割)に満たない場合でも改めて何度でもトライすることができますし、全員がきちんと基準に達するように教えるのが私たち学校の務めでもあります。もし生徒さんが上手くできなかったとすれば、それは生徒さんの問題ではなく、私たちの力不足だと思っています。

 

そうはいっても、生徒さんたちは緊張して頭が真っ白になってしまう方もいます。それまでの練習ではできていたのに、いざ本番になったとき、次に何をすれば良いのか分からなくなり、体が固まってしまう人もいます。緊張するのは当然ですし、自然です。そういう場合は、一旦止めて、少し時間を置いてから再チャレンジしてもらうと、次は意外と簡単にできるものです。最後には皆が合格し、誰にとっても貴重な体験となりますので、ご安心ください。そしていつの日か、もしかしたら3年後に介護福祉士の実技試験を受けるとき、あの時の緊張を懐かしく思い出すかもしれません。