最初は不安だったけど

4月からスタートした日曜日クラスが最終日を迎えました。今回のクラスは卒業生さんのお子様や職場の同僚、知り合いが多く、つながりを感じつつスタートしたのも束の間、あっと言う間に3ヶ月半の研修が終わってしまいました。10代から60代まで、様々な世代の生徒さんたちが少しずつ仲良くなってゆく過程があり、最後はひとつにまとまったクラスでした。「私が15日間休まずに通えたことが奇跡的です!それだけ楽しかったんだと思います」とアンケートに書いてくださった方もいました(笑)。打ち上げには20名以上の生徒さんたちが参加したみたいですね。


最終日に生徒さんたちに書いていただくアンケートを、私はその日か翌日のうちに読み、さらにしばらく経ってからホームページ上にアップするために打ち込みます。あわせて2度、アンケートに目を通すことになります。生徒さんたちはどういう気持ちで書いたのか、130文字の言葉をなぞり、その言葉どおりに受け止めることもありますし、行間にある想いを想像してみることもあります。そうすることで、少しでも生徒さんたちの気持ちに近づき、また生徒さんたちから見た湘南ケアカレッジが見えてきます。

 

研修全体を振り返った感想として最も多いのは、「最初は不安だったけど…」というものです。そして、そのあとにはどのような言葉が続くと思いますか?「実技が始まると楽しくなってきた」でしょうか。それとも、「クラスメイトと仲良くなってからは不安が消えた」でしょうか。いえ、それらももちろんあるにはあるのですが、最もよくあるのは、「先生方の熱心さや明るさのおかげで、楽しく通うことができました」という言葉です。「最初は不安だったけど…」の反対にあるのが、先生方の熱心さや明るさなのです。

 

つまり、生徒さんたちは何に対して最も不安を感じているのかというと、「最後まで研修を受けて、修了できるのか?」または「自分でも介護の仕事ができるのか?」、「介護の世界は自分に合っているのか?」ということなのではないでしょうか。ほとんどの生徒さんたちは、「研修をしっかりと修了して、介護の仕事をバリバリ頑張るぞ!」と思って入学してくるのではなく、「自分にできるのか?」、「自分に合っているのか?」と不安を抱えて入ってくるのです。

 

その不安を、楽しさや希望に変えてくださっているのが先生方ということですね。先生方の情熱的な授業を聞いて介護に対する興味が湧き、先生方の明るさや優しさに触れて学校に来るのが楽しくなる。いつの間にかクラスメイトとも仲良くなり、介護の世界を目指そうとする人々の温かさを知る。研修が進むにつれ、褒められたり、認められたりという経験を通して、自分にもできるかもしれないと少しずつ自信がつきはじめる。そして最後には、「介護の仕事をやってみたい」と思ってもらえれば最高ですね。

 

相手に寄り添うためには、相手のことを知らなければなりません。相手を知ることは実はとても難しくて、特に同じ場所に長くいたり、同じことをずっと行っていると、相手のことが見えなくなることがあります。自分以外の立場でものを見ることができなくなり、最初のころは感じられていた相手の心を感じられなくなり、心を配れなくなる。それは自然なことですが、たまには初心に戻ってみることも大切だと思うのです。自分の初心に戻るのが難しければ、相手の初心を感じることです。幸いなことに、介護職員初任者研修を受けてくれている生徒さんたちは皆、初めての世界であり体験なのです。

 

最終日には、クラス全員からのメッセージ入りの色紙をいただきました。ケアカレのロゴ入りのカラフルな色紙です。当分の間は、先生方の机のど真ん中に飾らせていただきますね。皆さんの温かい気持ちに感謝します。