2度目を生きるように

昨日は私の41回目の誕生日祝いをしてもらいました。生徒さんたちがホワイトボードの裏にメッセージを書いてくださり、先生方からはお花とハンカチ、そして生徒さんのひとりからはケーキまでいただきました。毎年こうして祝っていただき、恥ずかしいのですが、嬉しいです。ありがとうございました。私の勝手な人生設計の中では80歳まで生きることになっていますので、人生の折り返し地点を超えたことになります。江戸時代の平均寿命はだいたい40歳ぐらいだったと言われていますから、人生を生き直せるのは幸せなことですね。これからも湘南ケアカレッジを通して、先生方や生徒さんたち、卒業生さんたちが幸せを感じられるように、裏方として身を捧げていきたいと思います。

 

2度目の人生ということで思い出したのは、最近観た「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」という映画のこと。過去に何度でもタイムトラベルができる主人公ティムが、好きになった女の子にボーイフレンドができる前にタイムトラベルし、先に出会って、パーティーから連れ出して、ついには結婚し、子どもが生まれるという恋愛ストーリーです。ティムの父もタイムトラベルができるのですが、父は息子に「毎日を二度過ごせ」とアドバイスします。最初は普通に過ごし、二度目も同じように過ごしてみる。すると最初は自分のことで精一杯で世界の素晴らしさに気付かないが、二度目には余裕が出てきて楽しめると言うのです。

 

こんなシーンが印象に残っています。ある日の朝、ミーティングに遅れそうになったティムと同僚は、走って現場までたどり着き、何とか間に合ったと思いきや、ミーティングでは上司から同僚がこっぴどく罵られ、落胆してしまいます。そこでティムはタイムトラベルをして、2度目を過ごしてみます。朝は慌てながらも、周りの景色の美しさを同僚と共有し、ミーティングで上司に罵られる同僚にジョークを言ってその場を和まします。同じ日常の場面でも、2度過ごしてみることで、見える景色や自分や周りの人々の気持ちのありようも、まるで違うことに気づいたのでした。

 

 

もちろん、実際に私たちはタイムトラベルをして、毎日を2度過ごすことはできません。そうではなくて、この映画が伝えたかったのは、2度目を過ごすように毎日を過ごせということです。最初は何ごともなく通り過ぎてしまった日常の美しい光景を見つけ、最初は気づけなかった他人の感情を気にかけ、最初はできなかった行動を勇気をもってやってみる。上手く説明するのは難しいのですが、もしやり直しができたとしたらこうするだろうという気持ちを最初から持って、人生の大切な時を生きるということです。私も2度目を過ごすように毎日を過ごし、2度目を生きるように後半の人生を生きていきたいと思います。