理想の先輩は卒業生

今月はたくさんの卒業生さんたちが教室に遊びに来てくださいました。その中のひとり、ある介護の職場で働き始めた卒業生さんとお話する機会がありました。夜勤が始まったりして現場で楽しく頑張っている話から、スタッフ間のやり取りに難しさがあるという悩みまで、いろいろと聞かせてもらいました。その中で、とても印象に残って嬉しかったのは、お手本にしようと思った職場の先輩がケアカレの卒業生であったという話でした。

ひとまず今の職場で、自分もこの人のようにありたいという、理想の先輩を見つけて真似をしようと彼女は考えたそうです。そこで、声掛けも丁寧で、笑顔が輝いていて、一つひとつの動作が美しいひとりの先輩をモデルに決めました。彼女は先輩の一挙手一投足に目を配り、良いところを少しでも吸収しようと心がけました。仕事を見るだけではなく、積極的に話しかけ、お昼も一緒に食べたりしました。

 

ある日、仕事から離れて、ひと休憩をしている先輩が机の上に置いたキーケースに、ケアカレのキーホルダーがついていたのを発見したのです。あまりの驚きに息を飲みましたが、思い切って、「もしかするとケアカレですか?」と聞いてみたところ、「はい、そうです。Sさんも?」と返ってきて、それから学校についての会話で盛り上がったそうです。偶然というべきか、縁というべきか、そんな嬉しい話もあるのだと私は思いました。

 

卒業生から教えてもらったこのエピソードには、私たちにとって、2つの嬉しいことが含まれています。ひとつは先輩がキーホルダーを付けていてくれたこと(笑)。そのおかげで、お互いがケアカレの卒業生であることが判明したわけですし、もし付けてくれていなかったら、ずっと知らないままであったかもしれません。もうひとつは、湘南ケアカレッジの卒業生が理想的なモデルであったこと。その先輩はケアカレに通ってくれていたときから素敵な方でしたが、現場に行っても、周りのスタッフたちに良い影響を与えている。新人スタッフにとって、理想的なロールモデルだと思われた人が、数ある学校の中でもケアカレの出身であったことを私は誇りに思います。

 

 

実務者研修が今年度からスタートし、ケアカレの卒業生さんたちと再び学ぶ機会ができて、改めて彼ら彼女らのレベルの高さに驚かされています。そういった経緯があり、今回の嬉しい話も聞けて、さもありなんと思った次第です。我田引水に聞こえてしまうかもしれませんが、先生方が介護職員初任者研修を通して、一生懸命に教えてくれたこと、伝えてくださったことは間違っていなかったのです。教育はその効果が目に見えにくだけに分かりにくい部分はありますが、特に介護職員初任者研修のような初等教育はとても大切なのだと改めて感じます。どのような考え方や知識や技術を持って介護の仕事に臨むのか、私たちが思っているよりも最初に決まってしまうのかもしれません。裏を返せば、私たちの責任もそれだけ大きいということですね。