その人のことをもっと知りたい

先月末で7月短期クラスと4月日曜日クラスが修了しました。これは毎度のことなのですが、立て続けにクラスが終わると、とても寂しい気持ちになります。ようやく少しずつ打ち解けて、もっといろいろな話をしたいのに、介護職員初任者研修は15日間で終わりを迎えてしまうのです。7月短期クラスは男性が多く、まさに男気に溢れる熱心なクラスでしたし、4月日曜日クラスは様々なバックグラウンドを持つ人たちがいて、それを誰もが暖かく受け入れる、包み込むような雰囲気のクラスでした。「ほんとうに色々な方々がいますね」と橘川先生もしみじみとおっしゃっていたように、これだけ多種多様な人たちが集まる場も珍しいと思います。そして特に今回のクラスは、お一人おひとりともっとお話しがしたかったなという気持ちが残っています。

それは半分は後悔でもあり、もう半分は希望でもあります。もっといろいろな話ができるチャンスもあっただろうし、もっと自分から話すきっかけをつくるべきだったと思うこともあります。忙しさにかまけて、教育において最も大切なコミュニケーション(話した質×量)が足りなかったのではないかという反省です。これは多かれ少なかれどのクラスでも感じることであり、完全に満足ゆくまで話すことができたクラスは今までないかもしれません。それほどに生徒さんひとり1人と話すということは難しいことです。それでも、もっと時間の許す限りは、生徒さんと話し、その人のことをもっと知りたいという想いがあります。それは私だけの願望なのかもしれませんが、そういう想いがある限り、学校にはまだ希望があるのです。

 

そういえば、4月日曜日クラスの生徒さん3名に、小野寺先生から最終日に渡してほしいと預かったメッセージがありました。実技テストの日の最後に、ひとり1人の良かった点をそれぞれにお伝えして帰っていただくのですが、3名だけ待ち切れずに(時間がなくて)先に帰ってしまったので、どうしても伝えたいメッセージを書いたので渡してほしいとのことでした。当日の朝、彼女たちにメッセージを渡すと、授業の最後に「これを渡してほしい」と彼女たちから小野寺先生への手紙をいただきました。手紙の中身は知りえませんが、彼女たちとの間にコミュニケーションが生まれて嬉しく思いました。彼女たちはお世辞にも授業態度が良いとは言えませんでしたが(笑)、実は彼女たちなりに一生懸命に取り組んでいて(特に実技は)、心に秘めた優しさや想いがあることを先生方は感じていましたし、周りのクラスメイトさんたちも盛り立てて一緒に頑張ってくださっていました。ほんとうに良いクラスでしたね。

 

 

コミュニケーションが失われた学校ほど価値のないものはありません。その場所では、生徒さんたちは右から入ってきて、資格とお金を交換して、左から出て行きます。Aさん、Bさん、Cさん、次はDさん。生徒さんたちに名前はありません。先生方は登場しても、毎回同じような授業を再生し、授業が終わるとさっさと帰ってしまう。先生方も時間と給与を交換しているだけ。そんな生徒さんたちと先生方の間には、教育コンテンツが垂れ流されているだけで、コミュニケーションは生まれようがありません。そんな学校の時代はもう終わりにしたいと思い、顔の見える学校をつくりたいと願い、湘南ケアカレッジは生まれたのです。

 

追伸

 

4月日曜日クラスの皆さんからメッセージボードをいただきました。夏らしく、向日葵におひとり1人のメッセージが書かれています。この向日葵はひとつ1つ手づくりですよね。誰がつくってくださったのでしょうか。心より感謝します。