仲良くなってもらいたい

生徒さんたちには仲良くなってもらいたい。心からそう願います。何だかんだ言っても、湘南ケアカレッジに来て、良い仲間ができたこと以上のものはないからです。たった一人でも良いのですが、できればひとりでも多くの人たちと心が通い合い、年齢や性別に関係なく、研修が終わってからでも付き合っていける仲間ができれば幸いです。人と人が仲良くなるのは、もちろん偶然や縁の要素が強いのは確かですが、そうなってもらえる確率を高めるために学校としてできることがあります。できるだけ多くのクラスメイトと接し、話ができ、共通点を見つけ出せるような状況をつくること。何もしなければ何も起こらないのです。

 

状況をつくることのひとつとして、毎回違う席に座ってもらったり、グループ分けをするということがあります。人間は変化のない安定的な状況を好むため、何も言われなければ、毎回、同じ席に座ってしまいがちです。それは見事なぐらい、全員が示し合わせたように、初回に座った席と同じ席に座ります。最初に座った席に縄張りのようなものがあるわけでもないのに、前回と同じ席に座らなければならないと感じてしまう人もいるみたいです。そうなると、当然のことながら、周りにいるのはいつも同じ面々ということになります。「『前回と違う、いろいろな席に座ってください』という声掛けがあったことで、安心して違う席に座れた」という声もありましたし、「最初は億劫だと感じていたけど、だんだんと違う席に座る意味が分かってきました」と言ってくださる生徒さんもいました。

 

グループ分けも考え方は同じです。座っている席でグループを決めると、毎回同じメンバーになってしまいますし、生徒さんたちに適当にグループを組んでもらうと、これもまた同じメンバーになりがちです。湘南ケアカレッジの場合は、毎回の授業ごとにランダムにグループが決められていますので、できるだけたくさんの人たちと一緒に練習することができるのです。理想としては、研修が終わるまでに、同じグループになったことがない人をなくす、クラスメイト全員と話すことができる状況をつくりたいと思っています。一緒にグループワークや練習をすると、自然と仲良くなれますよね。

 

 

こうした些細なことが絶大な効果を生むのです。ほとんどの学校は、ここまでやっていないのではないでしょうか。運営側は教室にいないのでその大切さに気付けないし、先生たちはわざわざ面倒くさいと思ってしまって実行しないものです。湘南ケアカレッジの先生方は、生徒さんたちが仲良くなることの大切さを理解してくださって、どのようにすれば(私たちも含めて)気心が通じ合えるのかと考えてくださっています。これが学校をつくるということです。生徒さんたちが仲良くなることは、生徒さんたちや先生方だけではなく、学校にも幸せをもたらすのです。介護職員初任者研修はほぼ完成してきましたが、7日間しかない実務者研修はどうすればさらに仲良くなってもらえるのか、いろいろと工夫したり、もっと考えていかなければいけませんね。