楽しく学ぶ

以前に姉もそちらで初任者研修を受講して楽しく学べたと聞いていたので2月の短期コースに入りたいです」というメールをいただきました。名前から辿ってみると、お姉さまは昨年の4月日曜クラスの卒業生のSさんでした。そのクラスの楽しそうな雰囲気が蘇ってきて、納得がいきました。実はSさんと同じクラスのHさんから紹介で来てくださった生徒さん(Mさん)が今の12月日曜クラスに通っています。楽しさは連鎖するというか、楽しかった思い出は、このようにしてつながってゆくのだと感じました。

 

楽しく学ぶこと以上に楽しいことはありません。そもそも昔の人たちにとっては、学ぶことは最大の娯楽であったわけで、知識が増えることで自分の世界が広がったり、新しい体験を通して自らが成長したりと、学ぶこと自体が本来は楽しいことなのです。それがいつの間にか、学ぶことは苦しいこと、我慢することだと私たちは思うようになりました。学校における一斉授業や詰め込み教育、受験システムの失敗がここにあります。子どもの頃は勉強が嫌で嫌で仕方がなかったという方も多いはず。そんな方でも、湘南ケアカレッジに来て介護職員初任者研修を受けたあとは、「勉強がこんなに楽しいものだとは思わなかった」とおっしゃってくださいます。そう、ほんとうは学ぶことは楽しいことであり、楽しく学ぶことは最高の娯楽なのです。

 

ここで言う「楽しく学ぶ」とは、学ぶことを楽しむという意味です。簡単であるとか、楽な気持ちで受講するということではありません。同じことを学ぶのであれば、楽しく学ぶか、苦しんで学ぶか、どちらを選ぶべきでしょうか?もちろん、前者ですよね。同じゴールに達するのであれば、その過程を楽しめる方がいいに決まっているのです。

 

たとえば、山に登るとして、辛くて苦しみながら一心不乱に登るのではなく、山に登る途中でも、綺麗な景色を見たり、鳥の鳴き声を聞いたり、仲間と話したり、お互いに励まし合ったり。同じ山に登るとしても、過程を楽しむことができれば、それは登山ではなくピクニックになるかもしれません。学びにも同じことが当てはまり、同じことを学ぶのだとすれば、本人たちが楽しいと思って学ぶ方が楽しいですし、何よりも身に付くのです。

 

 

私たち学校や先生は、楽しんで学んでもらえることを目標としなければいけません。伝えるべきことや到達すべきゴールは同じでも、学んでいることを楽しんでもらいたい。そのときに大切なのは、私たちと生徒さんたちの信頼関係であり、生徒さん同士や先生同士の仲の良さであり、褒め・認めであったりします。「太陽と北風」という有名なイソップ童話がありますが、同じ目的を達成するとしても、暖かい光を当てることでそうするのと、寒くて嫌な思いをさせてそうするのとでは、明らかに太陽の方が上手なのです。せっかく教育にたずさわらせてもらっている以上、私たちは太陽を目指したいと思います。