あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。毎年この時期には岡山の田舎に帰省し、心身をリフレッシュさせながら、今年のことに思いを馳せます。今年の4月で湘南ケアカレッジも5年目を迎えることになります。先生方にも生徒さんたちにも恵まれ、ここまでやってくることができました。運や人の縁というものは、偶然のようで必然であり、必然のようで偶然なのかもしれません。そんな感謝の気持ちを忘れることなく、新しい年にチャレンジしていきたいと思います。ここでいうチャレンジとは、大きくするということではなく、これまで誰もやったことがないことに取り組むということです。同じようなものをコピーしていくのではなく、新しい何かを生み出すのです。

湘南ケアカレッジは設立当初より、「いただきすぎない」、「大きくしない」、「資格を売らない」というやらないこと3つを掲げてきました。つまり人間らしい学校であろうということであり、ここまでやらないことをやらずに来られたと誇りに思っています。その中のひとつである「大きくしない」は、むやみに教室を増やして拡大しない、極端なことを言えば町田教室だけでいいということです。それは小さくまとまるということではありません。大きくするのではなく、深くしていく方向を選ぶということです。教育を提供する学校とは、そうあるべきだと考えています。

 

私たちは時として、大きいことが良い、大きくならなければならない、という病に憑りつかれてしまうことがあります。成長するとは、大きくなることだと考えてしまうのです。かくいう私も、就職活動をしたときは大企業ばかりを当たっていましたし、大手のスクールに入ったときには全国規模で教室を展開していることに安心感を覚え、誇りに思っていていたこともありました。しかし、社会人としての経験を積むにつれ、大きくなることで何かを失ってしまうのではないか(特に教育の分野は)、大きいことは実は恥ずかしいことなのではないかと感じるようになったのです。

 

これは経営的にも同じことがいえます。企業を成長させるとは大きくすることだと考えている人々は多く、特にMBA的な発想にはそれが顕著です。金太郎飴のような商品を大量に生産してでも、売り上げを大きくしていくことが会社の成長だと考えてしまうのです。たしかにそれは成長のひとつではあり、成長ではないとは言いませんが、同じようなものをコピーしていく水平方向の展開は簡単なのです。それに対して、ゼロから1を作り出すような垂直方向の成長こそが、真の成長なのではないでしょうか。

 

 

大きくなることが成長だという幻想から、私たちは逃れなければなりません。成長とは、これまではできなかったことができるようになったり、時間が掛かっていたことが速くできるようになったり、2人でやっていたことがひとりでできるようになったり、自分の仕事により多くの意味や価値を付け加えることができるようになったり、もっとたくさんの人々の心を動かせるようになったり、ということです。私たちがそうして深く成長していくためには、もっと考えなければいけませんし、行動しなければいけません。ときには失敗しなければいけませんし、挑戦しなければならないのです。100年続く学校を目指して、湘南ケアカレッジは、先生方や生徒さんたちと共に、さらに深く成長していきたいと思います。