いい授業をつくろう

気がつけば少しずつ日が長くなり、暖かい日も出てきて、春の息吹を感じています。あと数か月で湘南ケアカレッジも丸5年、そう6年目を迎えることになります。先日、実務者研修のミーティングが行われました。授業が終わった後にスタートし、軽食をはさみながらも、20時すぎまで話し合いは続きました。3月から開講するクラスに向け、介護過程の授業内容から実技演習の手順まで、様々な意見を出し合い、実際に実技を行って揃えました。実技のパートは私がいても邪魔なだけなので(笑)、席を外してお買い物に出かけました。教室に戻ってきたところ、あまりにも先生方が熱く話し合っているので、思わず写真を撮ってしまいました。あっと言う間に5年という歳月が流れてしまったけれど、「来て良かったと思ってもらえるいい授業をつくろう」という想いを、先生方がずっと抱いてくださっていることが嬉しかったです。

 

「世界観が変わる福祉教育を」という理念、つまり最高の授業を提供しようという想いは、湘南ケアカレッジの原点です。良質で楽しく分かりやすい授業をすることだけではなく、授業以外でも生徒さんたちと人間的に接し、サポートすることで、研修全体として満足してもえることはケアカレの強みのひとつです。ケアカレのファンになってくれた2500名を超える卒業生さんたちが、それぞれの家族や友人知人にケアカレを勧めてくれている姿が目に浮かびます。そういえば、岡本家からはお母さん、息子2人に続き、ついには娘さんまで受講しにきてくれました。あとはお父さまだけですね。一家全員がケアカレの卒業生なんて素敵な家族です。先生方が素晴らしい授業を提供し続けてきてくれたおかげで、今のケアカレがあるのです。

 

とはいっても、時代は変わりつつあります。この5年間で起こったことは、ホームヘルパー2級講座から介護職員初任者研修に変わり、授業日数が増えたことに反比例して生徒さんが減ってしまいました。景気は右肩上がりで今も良くなりつづけており、その影響で社会全体として介護の仕事をしようとする人が少なくなり、現場はもちろんのこと、介護職を養成する学校も経営的に苦しくなっています。

 

そこでもう教育はあきらめて、人材派遣・紹介を主の事業とする学校が増え、今はもう教育を主な事業としている学校はほとんどなくなってしまいました。授業料は無料にして、紹介料で利益を得るモデルの誕生です。ケアカレも介護仕事百景を始めましたが、あくまでも生徒さんたちが長く働ける施設を見つけてもらうひとつのサービスであり、主は介護・福祉教育を提供することに変わりません。時代の変化には対応していかねばならないのですが、良い授業をしようという学校としての原点は変わらないでいたいのです。

 

 

私たちはいつまでも、生徒さんたちから教育に対する感謝の気持ちとしての対価(受講料)をいただける学校でありたいと願います。正直に言って、周りの学校がタダ同然で生徒さんたちを募集している中、どこまで教育をメインの事業としてやっていけるのか分かりませんが、できる限りは突っ張ってみたいと思います。そのためには、先生方の力や気持ちがどうしても必要ですし、目の前にいる生徒さんたちに全力で向き合うことを愚直に続けていくことより他ありません。5年間、変わらぬ熱い授業をしてくださっている先生方に改めて感謝します。