資格と根拠のある介護を

4月からスタートした短期クラスが修了しました。春一番というか、6年目を迎える湘南ケアカレッジにとっても気持ちを改めて臨みたくなるような新鮮なクラスでした。どの生徒さんも一生懸命に取り組んでくれて、しかも雰囲気も明るく賑やか(反応が良い!)。私たちにとっても非常に教えがいがありました。このようなクラスから今年度をスタートできることを嬉しく思いますし、クラスメイトの皆さまもこのクラスで良かったと思っているはずです。最終日には若手2人からドライフラワーの贈呈式がありました。「ここで学んだことを生かして、現場でも頑張りたいと思います!」という気持ちが良いほど前向きな言葉を嬉しく思い、このような想いを持って介護の仕事を始める若者たちが輝く現場であってもらいたいと心から願います。

もちろん、研修終了後の打ち上げにも参加させていただきました。教室では見えなかったそれぞれの生徒さんたちの素顔があったり、人となりが知れたりして、とても素晴らしい時間です。学校と生徒、先生と生徒という関係から離れて聞くエピソードや身の上話は、ひとり一人にそれぞれの人生があるのだということを改めて教えてくれます。当たり前のことですが、こうして膝を突き合わせて話してみると分かることです。仕事における最大の喜びや報酬は心の交流だと私は思っていますので、このような場に参加できることに感謝ですね。

 

友人の知り合いから紹介されて、ケアカレに来たと言ってくれた生徒さんがいました。友人の知り合いがケアカレを受講したことがあり、その話を聞いていた友人がパンフレットを取り寄せてくれて、ここが良いと勧めてくれたそうです。数年前からこの2段階の紹介で来てくれる生徒さんも少しずつ増えてきており、人の口には戸が立てられないと言いますが、卒業生さんたちの口づての影響力の大きさを感じます。良いことは悪いことよりも広まりにくいのが現実ですが、それでもケアカレの良さは伝わっていくと思います。友人の知り合いから勧められてきた卒業生さんは、打ち上げのあと、「とても良い学校だったよ。紹介してくれてありがとう」と伝えに、友人に会いに行くとおっしゃっていました。

 

もうひとつ素敵なエピソードがありました。その男性の生徒さんは、ケアカレに来る前から無資格で介護の仕事をしていましたがが、新人職員に対して教えることで悩んでいたそうです。いろいろなやり方は分かっていても、「なぜこうするのか」という根拠が伝えられず、たとえ伝えられたとしても「でも資格を持っていないですよね」という目で見られることが、とてもつらかったと語られました。湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修で根拠のある介護を学び、そして資格を取得した彼は泣いていました。「泣き上戸ではない」と自分で照れていましたが、大の男が男泣きするぐらいですから、それだけ現場で苦しい思いをしてきたのだと思います。

 

 

その話を聞いて、たとえ資格がなくても、根拠のある介護をしていれば良いと思っていた自分の甘さを知らされました。なるほど、いくら仕事ができて根拠が伝えられても、資格がなければ現場では下に見られてしまうのですね。ケアカレは資格を売るのではなく、世界観が変わるような介護・福祉教育を提供したいという想いでやってきましたが、資格にも大きな意味があるということです。つまり、根拠のある介護ができることと資格を持っていることのどちらもが揃っていることが大事なのです。そのような研修を提供してきたこと、そして提供し続けていることを誇りに思います。