介護の仕事を続けていく支えに

6月短期クラスが無事に修了しました。「団結力のあるクラスだった」と先生方も口を揃えていたように、それぞれが自分自身のことよりも、むしろ他のクラスメイトに対して気を配り、声をかけ、協力し合うクラスでした。その中心となったのが、フィリピン人のBさんでした。日本人に比べると日本語が苦手な彼を、周りのクラスメイトさんたちがサポートし、一緒に勉強したり、教える中で、自分たちも学んでいました。授業以外の部分でも一緒に過ごし、心が通じ合っていた印象を受けました。できないことがあっても、できる人が助ける。そうすることで、できる人にとっても大きな学びがあることを体験してくれたのではないかと思います。

 

こんなことを書くと先生方には怒られてしまうかもしれませんが、介護職員初任者研修で学んだ技術や知識のほとんどは、時間が経つにつれて忘れられてしまいます。実際の仕事等で普段から使っていなければなおさら。私が子どもたちに教えていた頃の経験を踏まえても、彼ら彼女らは教えたことを驚くぐらいきれいさっぱりと忘れてくれるのです(笑)。それでも、最も大切なことだけへ、生徒さんたちの心にいつまでも残ります。

 

介護職員初任者研修であれば、人を想うことであったり、自立支援の意義であったり、ボディメカニクスを利用した身体の使い方であったり、おむつは最終手段であることであったり。記憶は漠然としているかもしれませんが、心で学んだ大切な何かは決して忘れないのです。

 

そのひとつとして、クラスメイトたちと楽しく学んだことがあるはずです。介護の世界に一歩踏み出そうと門を叩き、初めて会う先生方やクラスメイトと15日間の時間を過ごします。たった15日間かもしれませんが、その凝縮された時間と空間の中で得た体験こそが、その後の人生を大きく変えていくのです。私もそうでした。今から約20年前に当時のホームヘルパー2級講座を受けたことで、介護・福祉教育の素晴らしさに目覚め、今は学校をするまでになりました。あの講座が楽しくなければ、この仕事を面白いとは思えなかったかもしれませんし、続けられなかったはずです。

 

 

湘南ケアカレッジの介護職員初任者研修では、クラスメイトたちと楽しく学ぶ体験をしていただきたいと思います。私たちが狙ってできるものではありませんが、だからこそ価値があるのです。そのような体験が、介護の仕事を続けていく支えになることは間違いないのです。