電話に出続けて感じること

湘南ケアカレッジが開校する前から数えると約5年間、問い合わせや申し込みの電話を受けてきました。「はい、湘南ケアカレッジの村山です」と言った回数は、星の数ほどに及ぶはずです。生徒さんたちにとっては、電話をかけて最初に話す相手が湘南ケアカレッジの印象にもなりますので、できるだけ丁寧に親切な対応をしたいと心がけてきました。生徒さん(または外部の人であっても)がどこから湘南ケアカレッジに触れても、同じ手触りでありたいと思っています。パンフレットやホームページ、電話、申し込んでから送られてくる案内等、そして研修が始まってからの授業やコミュニケーション、もちろん研修が終わってからも、どこを切り取っても人間的な学校でありたいです。

 

そんなこんなで電話に出続けていると、大きな変化に気づかされることがあります。最近よく感じるのは、「友人や知人から湘南ケアカレッジのことを聞いて(紹介されて)電話している」と言ってくれる人の多さです。あえてこちらから聞いているわけではなく、向こうから自然と言ってくれるのです。「ありがとうございます」と丁寧に返しながらも、嬉しさがこみ上げてきます。湘南ケアカレッジのことを「あそこは良いよ」と勧めてくれた卒業生さんに対して、そして、そう言ってもらえるような素晴らしい授業をしてくださっている先生に対して、「ありがとうございます」と感謝の気持ちが湧いてくるのです。そのような機会が少しずつ増えて、最近は多いなと感じるようになりました。

 

5年間の歳月をかけて、先生方が積み上げてきてくださった、目に見えない評判が目に見えるようになってきているということです。介護職員初任者研修では約2400人、実務者研修では約800人の卒業生さんたちがいて、それぞれが自分たちの周りの人たちに、良くも(もしかすると悪くも)ケアカレについて語ってくれ、影響を与えています。4月の講師会にて、広告が明らかに効かなくなってきているという話をしましたが、その分、卒業生さんたちがその人となりを通して、ケアカレを広めてくれているのです。先生方と卒業生さんたちのおかげで、介護の学校にとっては厳しい時代ですが、ケアカレは生徒さんたちにも恵まれ、100年続く学校の6年目を迎えることができています。

 

 

私たちにできることは、これからも生徒さんたちひとり一人と向き合うことだと思います。向き合い方は先生方によっても違うと思いますが、個性的な生徒さんたちと関わることや教えさせてもらうことを楽しむことです。それは教育の原点であり、終着点でもあります。それからもうひとつ、傲慢にならないことです。生徒さんたちは自動的に私たちの目の前に現れているわけではなく、これまでの先生方の素晴らしい授業の積み重ねと卒業生のおかげでいるのです。そう考えると、ひとり一人の生徒さんたちは当たりまえではなく、一つひとつの言葉や対応、授業を大切にしていかなければならないと思います。電話を受け続けることで、学校の成長を感じつつ、身の引き締まる思いにもさせてもらっています。