パラバトミントン

町田市立総合体育館で行われた、パラバトミントンの国際試合を観に行ってきました。町田駅構内に貼ってあったポスターや小田急線車内の広告を見て、国際大会がこんなに近い場所で観られるなんて素晴らしいと思い、足を運びました。初めてのパラバトミントン観戦は驚きの連続でした。バトミントンというスポーツ自体は同じなのですが、様々な障害のある選手たちがそれぞれのクラスに分かれて争う様は、まったく違う競技を見ているようでした。車椅子を操って戦う選手、義足を着けている選手、片手でプレイする選手などなど、ハンデを克服しながら勝利を目指す姿は、スポーツの原点だと思いました。

パラバトミントンとは、障害のある人たちによるバトミントン競技です。大きく分けて、車椅子と立位があり、全部で6つのスポーツクラスに分かれています。

車椅子には2つのクラスがあり、WH1とWH2に分かれます。WHとはWheelchair(車椅子)の略でしょうか。WH1はバランスが不良から中程度の車椅子利用者のクラスです。L1以上の脊髄損傷による完全対麻痺やポリオ、二分脊椎、ギランバレー症候群などの病気による障害のある選手です。WH2はバランスが良好の車椅子利用者のクラス。L2以下の脊髄損傷による完全対麻痺、片大腿切断などの障害のある選手になります。

立位には下肢障害が2クラス(SL3とSL4)、上肢障害が1クラス(SU5)、低身長が1クラス(SS6)の計4クラスがあります。最初に観た試合が立位混合のSU+でしたが、このクラスには立位上肢や聴覚障害、その他の内部障害や視覚障害、精神障害などが入りますので、パッと見た目には健常者と見えてしまう選手もいました。違う障害のある選手たちが、それぞれの強みと弱みを生かしつつ競っていて、競技として見応えが十分にありました。

実はクラスごとにルールも違っていて、SL4やSU5、SS6のシングルスはコートの全面を使用するのに対し、WH1、2とSL3のシングルスは片面のみ、WH1、2のダブルスは半分のみを使用して行われます。試合を見ていても、ダブルスや下肢障害の軽い選手ですと全面を使って左右のダイナミックな動きがあるのに対し、車椅子のシングルや下肢障害の重い選手は片面のみを使うため、前後の激しい動きが求められる攻防戦が繰り広げられます。ルールも選手の特性も異なるからこそ、全く違った競技になるのですね。

 

 

素人目線で見ても、鈴木亜弥子選手らのランキング上位の有名な日本人選手は強いと思いましたし、車椅子のダブルスの試合で観た韓国人ペアの力強いアタックはとても車椅子から繰り出されたものとは思えませんでした。2020年のパラリンピックに向けてという意味では、WH1クラスで出場していた里見紗李奈選手は目立って有望に映りました。私が見た試合でも、世界ランキング4位のドイツ選手に勝っていました。2年後には世界ランキング5位の福家育美選手と共に、パラバトミントンを盛り上げてくれるはずです。