今年最後の同行援護従業者養成研修が行われました。今回は初日の授業の中に、点字を読む、書くことを少しだけ入れてみました。点字というと、視覚障害のある方のほとんどがそれによって読み書きをしているイメージがありますが、実際に使える方は2割ぐらいだそうです。それ以外の方はどうしているかというと、私たちと同じように、パソコンやスマートフォンを使っての読み書きが中心になります。衰退しつつある点字文化ですが、視覚障害のある方の世界を理解するためのひとつであることには変わりありません。
点字の仕組みを簡単に説明すると、6つの点から成り立ちます。左上が①、左真ん中が②、左下が③、右上が④、右真ん中が⑤、右下が⑥となり、それぞれに1の点、2の点、3の点、4の点、5の点、6の点と呼ばれます。母音(あいうえお)を表すのが①、②、④の左上の3点の組み合わせです。
それに③、⑤、⑥の子音を組み合わせて、(かきくけこ)や(さしすせそ)をつくっていきます。このあたりは英語のアルファベットと同じ考え方なので、分かりやすいですね。それに比べると、日本語はそれぞれに文字の形があって何と難しいことか。
それでは、読むことにチャレンジしてみましょう。
*答えは最後に
点字を読むことが分かったところで、次は点字を書くことにチャレンジしてみましょう。点字を読むと書くは背中合わせであり、裏から打つようにして書くことになります。点字を読んでいるその紙をひっくり返してみて、その裏から点字を打つということです。点字を書いて、裏返しにしてみると、点字が読めるとも言えるでしょう。
誰かに教えるときに、その人の前から文字を書いた経験のある人は分かるかもしれません。相手にとって読めるように前から書くのって意外に難しいですよね。それを前からではなく、表を読む人にとって読めるように、裏から書くということです。
まずは自分の名前を点字で書いてみることから始めてみてください。どの言語でも同じですが、読むという行為は受動的であり、書くという行為は能動的です。読むだけでは習得のスピードは上がりませんが、書くという能動的な学びを加えることによって、相乗効果で学びが深まっていきます。
点字の読むと書くのように、世の中のほとんどの事象は表から見て、裏から考えてみることができます。表だけを見ていても、ある一面しか理解したことにはなりませんが、表を見る人たちのことを想像して裏から能動的に考えてみると、世界は立体的になるのです。点字を使う人たちは、そのような高度な思考法を日常的に操っているのですね。
★答え
上の列 あおい
下の列 あかい