私の誕生日にふと読みたくなって、「チーズはどこに消えた?」という本を読みました。このままで良いのだろうかと何となく考えていたところに、この本の中にヒントがある気がして、書店で手に取ったのです。2000年に発行されてからずっと売れ続けている本ですが、今まで読んだことがありませんでした。一読してみて、なるほど、私だけではなく、人々の不安はここにあるのだなと思いました。つまり、今の生活や人生には満足しているけれど、自分だけ変化の波に取り残されてしまうのではないだろうかという根源的な不安です。
主人公はネズミのスニッフとスカリーの2匹と小人のヘムとホーの2人。幸せのチーズを誰もが手に入れるところから物語はスタートします。チーズを追い求めてようやく手に入れる成功物語ではなく、幸せのチーズはすぐに見つかります。しかし、ある日、突然チーズは目の前から姿を消してしまうのです!
その出来事を受けて、ネズミのスニッフとスカリーはすぐに新しいチーズを探しに飛び出しますが、小人のヘムとホーはなぜチーズが消えてしまったのかと悩んだり、チーズは消えておらずどこかにあるのではないかと現状を否定してみたりします。そのうちホーは現実を受け入れ始め、自分たちも新しいチーズを探しに行かなければならないことを悟ります。それでもヘムは拒み続け、ホーはひとりで旅に出ることになります。
新しいチーズを探す旅の中で、ホーが学んだことは、
この物語をどう解釈するかはそれぞれですが、大事なことは、変化は必ず起きるものであり、それを楽しもうということです。今のものや古いものを捨てて、常に新しいものを探さなければいけないという強迫観念ではなく、変化を受け入れつつ、古い考え方や常識にとらわれずに、新しい関係性や見かたに自ら進んで素早く対応しようということですね。つまり、外に出て行って全く違うことを探すことも必要かもしれませんし、今あるものをもう一度見つめなおし、新たにつくりかえていくことも大切なのだと思います。
それでは、新しいチーズをどのようにして探すのかというと、やりたいと思えることをやるということなのだと思います。やるべきことを探すことでも、やりたいことを見つけることでもなく、やりたいと心から思えることがあるのなら、それを素早くやり始めることなのではないでしょうか。無理に新しいことを始める必要もなければ、新しい関係や考え方などをつくることもありません。しかし、変化は必ず訪れるものだから、常に今あるものを観察していつつ、前に進む意欲を忘れないということです。そう考えると、44歳になった今年はどんな変化を起こせるのか楽しみになりました。
先生方から誕生日プレゼントをいただきました!いつも素晴らしい授業をして、素敵な学校を一緒につくってくださって、ありがとうございます。