66日間

介護福祉士筆記試験対策講座の最初に、勉強の仕方についてお話しします。大人になってまで、勉強の仕方を説かれるのかとげんなりされるかもしれませんが、ひとりでも多くの生徒さんに合格していただくために必要なことです。私は学生時代から数えると10年近く、子どもに勉強を教えてきました。その中で、勉強ができる・できないを隔てているのは、実は頭の良し悪しよりも、勉強の仕方が分かっているかどうかということに気づかされました。だからこそ、勉強する前に、まずは勉強の仕方を伝える方が、子どもたちを成功に導くためには効率的だったのです。

 

今回は、勉強の仕方の中で少しお話しする習慣化について書きます。私がこれまで生きてきた中で、唯一の成功法則だと思うのは、習慣化することです。勉強でもスポーツでも仕事でも恋愛でも、何かを成し遂げたいと願うならば、そのためにするべきことを継続して行うべきという意味です。思いつきや3日坊主ではなく、数か月から1年、2年…10年、雨の日も体調が悪い日も落ち込んでいる日も、ひたすら毎日同じようなことを繰り返す。そこにはやる気や努力や苦労なんて言葉はなくて、ただひたすらにやり続けるだけ。ふと気がつくと、いつの間にか上手になって願いが叶っていた。習慣化することは、そんな魔法のような成功法則だと思うのです。

 

習慣化することのメリットは大きく2つあります。

 

ひとつは、自分の意志の力や周りの環境などに左右されにくいことです。誰が何と言おうと、毎日、決まった時間をそのことに当てるわけですから、するかしないかという選択はないのです。朝起きて顔を洗ったり、3食食べたり、お風呂に入ったり、歯磨きをしたりするのと同じ。むしろ、しないと気持ちが悪いので、さぼりたいと思ってもしない方の気持ち悪さや罪悪感の方が優るのです。習慣化すると、やる気をエイッと奮い立たせる必要がなく、ごく自然に取り組めるのです。

 

もうひとつは、毎日行うことで、気がつくとかなりの大きさになっていることです。しかも毎日行うことで、単なる足し算ではなく、雪ダルマのように膨れ上がってゆくイメージ。

たとえば、1日1時間を何かに当てるとすれば、1ヶ月で30時間。これぐらいであれば大したことないのですが、1年で360時間、5年で1800時間と積み上がっていきます。この辺りまでくると、始めた当初から比べてみると雲泥の差があり、大きく成長を遂げているはずです。

 

習慣化する重要さは分かっていただけたとして、実は習慣化する前に考えておかなければならないのは、何を習慣化するか?です。ここを間違って、あまり意味のないことを習慣化してしまうと、効果もそれなりにしか出ません。日々、何を習慣化するか?がその人の人生をつくるのですから、ゆっくりと時間を取って考えてみてください。時間の目安としては、短すぎても長すぎても良くないので、1日30分から1時間ぐらいでできることがベストでしょう。「毎日○○について1時間勉強する」とか「毎日○○まで30分間走る」など。

 

 

ちなみに、何かを始めて、それが習慣化するには66日間かかると言われています。一度何かを始めたら、何が何でも66日間は続けてみてください。自転車を漕いで走るときのように、最初のうちはグッと力を入れなければなかなか前に進まず、スピードにも乗れないとしても、次第にあまり無理をしなくても進むようになり、気がつくと自然とペダルが回っていたような感じを味わえたらいいですね。