「東京ケアウィーク2020」に行ってきました!

福祉用具専門相談員養成研修の準備の一環として、小野寺先生と「東京ケアウィーク2020」に行ってきました。東京ビッグサイトで開催されるこのイベントは、介護・福祉関係者のみが参加できる、介護業界最大級の商談展です。福祉用具や介護ロボットはもちろんのこと、介護食、健康維持運動機器、人材採用、介護ツアーなど、多様なサービスを提供する600社が集いました。今回はコロナウイルスの影響か、中国人のバイヤーの方々がほとんど参加していなかったこともあり、思っていたほど人は多くなく、ゆっくり落ち着いて各ブースを回ることができました。国際福祉機器展ほどの熱気はありませんが、とても有意義なイベントだったと思います。来年もまた参加したいです。

さすがに600社すべてを見ることはできませんでしたので、見て回った中でも印象に残った福祉用具やサービス等を簡単に紹介しますね。

まずは、とろみ調整食品である「つるりんこ」です。特徴としては、従来のものと異なりダマにならないため、見た目に透明感がり、無味無臭ということ。また、飲み込みやすく、とろみの質が安定しています。15秒ほどかき混ぜて、2分待つだけつくれますので、簡単ですね。牛乳や半固形の流動食用のものもありました

続いて、柔らかいにもかからず、見た目が美味しそうな「そふまる」です。従来のきざみ食やミキサー食とは異なり、素材の形をできるだけ残しています。実際に数品食べてみましたが、その美味しい見た目と食べてみたときの柔らかさのギャップに驚きました。特に、このソフトもちは、誰が見てもお餅ですが、食べてみると粘り気がなく喉に詰まる心配もなさそうです。聞いてみると、餅の成分は残しつつも粘り気だけを消しているとのことでした。

個人的に良いなと思ったのは、おやつの宅配サービスです。毎日、違ったおやつが一品届くので、バリエーションも豊富で利用者さんも喜ぶはずですし、買い漏れの心配がなくなるのもスタッフにとっても安心です。何よりも美味しそうですし、おかきも柔らかいので高齢者も食べやすいです。毎月、新作が出るそうなので飽きさせませんね。自分の家に毎日届けてもらいたいと思うぐらいです(笑)。小野寺先生もご自身が働いているデイサービスに届けてもらおうか真剣に検討していました。

介護付きの旅行サービスの「旅介」も面白そうでした。様々なツアーが企画されていて、介護施設に旅行ツアーがやってくるイメージです。最近はチケットが入手できたので、大相撲を観に両国国技館に行ってきたそうです。

ユニバーサル版のボッチャも面白そうでした。本物のボッチャで使われるボールよりも、柔らかくて、軽くて、表面がゴムっぽくなっているので持ちやすいそうです。ルールはシンプルですが、意外と難しくて、奥が深いので、お年寄りも熱狂してくれるとのこと。思っていたようになかなか行かず、たまに上手く行くことがあるのが楽しいそうです。それから、試合中にチーム内での相談も許されているため、コミュニケーションが生まれるのもボッチャの良いところだとのこと。

今回、実際に会場に足を運び、現場の福祉機器の担当者から話を聞き、実際に使ってみたり、手に触れてみたり、食べてみたりしたことで、より一層、その便利さや大切さが分かりました。やはりこうした最新の福祉機器は、情報として知る→直接教えてもらう→実際に体験してみるという段階的に理解が深まるのだと改めて思いました。これは吉藤オリイさんが開発している分身ロボットで私が体験したことと同じで、実際に分身ロボットを通して遠隔操作で寝たきりの方とコミュニケーションを取ってみて初めてその価値が分かるということですね。極論を言うと、自分が体験してみなければ、その価値や意味は理解できず、それを誰かに心から勧めることは難しいのです。このあたりを踏まえながら、福祉用具専門相談員養成研修をつくっていきたいと思います。