共にあること

先日、先生方と生徒さんたちに誕生日を祝ってもらいました。1日遅れなのでプレゼントはもらえませんでしたが(笑)、生徒さんたちが皆でホワイトボードにメッセージや絵を書いてくれました。「学校が楽しいです」と書いている人が多くて嬉しかったです。また、イラストレーターをやっていたという生徒さんの絵はさすがですし、私がトイプードルを飼っていることを覚えていてくれていたり、アンパンマンやバニーガールまで登場して賑やかですね。今から7年前に湘南ケアカレッジを先生方と立ち上げたときは、私もまだ30代でしたが、遂にアラフィフに足を突っ込んでしまいました。時の経つのは速いものです。

 

7年経った今でも、こうして誕生日を覚えてもらえて、祝ってもらえることに嬉しさを感じます。湘南ケアカレッジは町田にしかない小さな学校ですが、だからこそこうして先生方や生徒さんたちのライフタイムイベントにも立ち会うことができるのです(ケアカレは誕生日に来てくれた生徒さんや先生方にはお祝いをしてケーキを贈る習慣があります)。そのような大げさなことだけではなく、毎日会うことで生徒さんたちの顔や名前を覚えたり、話をすることもできますし、先生方とも顔を合わせてコミュニケーションを取ることができます。当たり前のことですが、教室が多くなればなるほど、学校という組織が大きくなればなるほど、当たり前のことが難しくなるのです。

 

よく卒業生に「なぜケアカレをつくったのですか?」と聞かれるのですが、その答えのひとつに、「介護の学校に関わる先生方も生徒さんたちも良い人ばかりだから」があります。決してポジショントークではなく、これまでいくつかの業種や仕事を経験してきて、仕事内容や給与以上に大切なのは、関わる人たちだと私は考えているからです。人生の大部分を仕事に費やしているのですから、そこで関わる人たちの影響は大きいですし、できれば良い人たちに囲まれていたいものです。それが叶うのが介護の学校だと思って、自分の仕事としてケアカレを立ち上げました。だからこそ、こうして素敵な先生方や生徒さんたちと共にあることは私にとって嬉しいことなのです。

 

 

この7年の間には、もっと教室を増やそう、拡大しようと何度思ったか分かりません。これからもその葛藤はあると思います。しかし、よくよく考えてみると、結局のところ、大きくなることで失うものの方が多いのです。わずかばかりの安定や売り上げの大きさ、雇用を生み出すことはできるかもしれませんが、学校として最も大切な人と人のつながりが(特に私にとって)希薄になってしまうのです。それは大きな介護のスクールで働いていたことがあるからこそ、経験として知っていることでもあり、もし何も知らないまま学校を立ち上げていたとしたら、迷うことなく教室を増やしていたはずです。もしそうしていたら、今はどうなっていたのか、あくまでも想像でしかありませんが、おそらく誕生日を祝ってもらうことはなかったかもしれません。先生方、生徒の皆さま、ありがとうございます!