いろいろな人たちがいる

1月短期クラスが無事に修了しました。20代から60代までと年齢層も幅広く、男性も全体の3割ほどいて、様々な属性を持った生徒さんたちが集まって、仲が良く過ごしていた印象の強いクラスでした。どのクラスにも言えることなのですが、介護職員初任者研修のクラスは介護現場の縮図でもあります。他の業種の職場とは少し違うのは、自分とは“かなり”違った背景を持つ人たちと一緒に働かなければならないということです。でも心配しないでください。介護職員初任者研修のクラスの中で楽しめたなら、介護の現場でも同じようにやっていけるでしょう。

介護の現場では、年齢や性別などというカテゴリー分けはほとんど意味がなく、価値観や考え方、生まれ育ってきた環境、病気や障害の有無など、多様な背景を持った人たちを相手(利用者さん)にまたは一緒に仕事をしなければいけません。分かりやすく言うと、現場にはいろいろな人がいるということです。いろいろな人たちと共に、いろいろな人たちを対象にして仕事をするために必要なのは、自分とは違うものを弾かないことです。排除せず、なんとか受け入れて、付き合っていこうとする姿勢が大切ですね。

 

そういう姿勢を他者は見ているはずです。たとえば、ひとつ前のクラスに外国の方がいました。日本語が苦手ということもあり、最初はコミュニケーションもままならず、授業で言っていることも分からず、自宅でする通信添削の課題も難しい。私たちも少し心配しながら見ていましたが、ひとり積極的にコミュニケーションを取って通信添削課題を教えてくれる生徒さんが現れました。そうこうしているうちに、研修が進むにつれて次第にクラスにも溶け込んでいきました。もちろん修了もでき、最後の打ち上げにも参加するほど打ち解けてくれたのです。その打ち上げの席で、最初に積極的にサポートした生徒さんに対して、他のクラスメイトが「〇〇さんを助けている姿を見ていたよ」と尊敬の気持ちを伝えていました。

 

周りの人たちは、あなたがどうするのか見ているのです。受け入れるのか、上手く付き合うのか、それとも弾き出すのか。たとえ自分とは全く違う価値観や考え方、生まれ育ってきた環境、病気や障害の有無であったとしても、どこかに接点をつくって溶け込ませていく姿勢を見せるかどうか。職場においても、学校においても、あなたが他者の姿勢を見ているように、他者もあなたの姿勢を見ています。そして姿勢は連鎖します。あなたが弾けば、周りも弾き出します。あなたが受け入れたら、周りも受け入れようとします。あなたの周りの世界は実はあなた自身の姿勢がつくってゆくのです。特にリーダーと呼ばれる人たちの姿勢は、周りに大きく影響を与えますね。

 

 

多様な他者を受け入れていくことから始めて、いつかは彼ら彼女たちとシェアするところまで行ってみましょう。いろいろな人たちと共に生きるだけではなく、いろいろな人たちとシェアする世界です。モノだけではなく、コトや気持ちもシェアしていきましょう。佐々木先生が介護職員初任者研修の授業の中で話している、「分け合えば、喜びは2倍に、悲しみは半分に」ということです。今の介護の現場にはその精神が必要ですし、それができる人たちが介護の世界に集まっていると私は信じています。全てはあなたの姿勢にかかっているのです。