5月短期クラスが無事に修了しました。今年の4月から介護の業界に入って新しく仕事を始めるという新卒の方々も多く、比較的年齢層が低いクラスでした。若い人たちが多いクラスは(恥ずかしがり屋なのか?)リアクションが静かなことが多く、そのあたりを心配したのですが全く問題なかったです。「感受性の強い生徒さんたちでした」と小野寺先生がおっしゃっていたように、彼ら彼女たちならではのフレッシュな感覚を持って臨んでくれたのだと思います。そう考えると、介護の世界の入り口としての介護職員初任者研修は改めて大切だと感じます。どのような研修を受けるかによって、最初の一歩の方向性も踏み出し方も違ってくるからです。そして数年後には、その違いは大きな差となって現れてくるはずです。
生徒さんのひとりが、実技テストが終わったあと、「湘南ケアカレッジは技術ができる・できないではなく、人間性を見てくれるのが良かった」という主旨のコメントを言ってくれました。ひとり一人の生徒さんたちを見ようという私たちの気持ちが伝わっているのだと嬉しく思ったのと同時に、介護の世界にせっかく入ってきてくれた人たちをできる・できないで評価することで潰してしまうのは本当にもったいないと思いました。
現場に行くと、どうしてもできる・できない軸で評価されてしまいがちで、経験のない人や不器用な人はできない人として扱われてしまいます。できなくて当たり前なのですが、一旦できない人のレッテルを貼られてしまうと、それを自分で剥がすことは案外難しかったりします。ほんとうはできるのに、できないと思い込んでしまって、介護の仕事を辞めてしまう人のなんと多いことか。
教育に携わる先生方もそうですが、介護や医療等の対人援助職は特に、8割はこころが大切な仕事ですから、技術や知識よりもまずは人間性が重要なのです。根底に相手に対する思いやりや想像力、献身的な気持ちがあって、その後に知識や技術はついてくるものです。知識や技術もなければこころもないのは論外ですが、たとえ知識や技術はあっても、肝心のこころを失ってしまえば利用者さんからすれば害にしかなりません。最初は人間性ありきなのです。だからこそ、教育の場も介護の現場も人間性の良さを引き出すように心掛けるべきですね。介護の世界に入ってくる人たちは、必ず素晴らしい人間性を持っていますので、それを信じて見守っていってもらいたいと願います。
最後にテストが終わってから、自身が映っているクオカードをくださった生徒さんがいました。彼女は女子競輪で賞金女王に輝いたあと引退して、介護の世界に入ってきてくれたそうです。そのようなバックグラウンドを持っているとは露知らず接していましたが、これから保護犬と障害者のグループホームを掛け合わせるような事業を始めたいとのことで、彼女なら必ず成し遂げてくれるはずです。サービス管理責任者を探しているそうですので、手伝ってみたいと思った方はケアカレまでご連絡ください。彼女は最後に「研修を受ける前は、介護の世界って、学生のときに職場見学に行ったときの暗いイメージがあったのですが、研修を受けたあとは、全く違うんだなと見方が変わりました」と言ってくれました。「世界観が変わる福祉教育を」提供することを理念として、湘南ケアカレッジは開校しましたので、10年目にもそう言ってもらえると素直に嬉しいです。ありがとうございます。