なぜ友人紹介割引をしないのか?

介護職員初任者研修または実務者研修にお申込みいただく方から、「友人から聞いて申し込むのですが、友だち紹介の割引制度みたいなものってありますか?」と聞かれることがあります。そんなときは、「申し訳ありません。当校は友だち割引は行っていないのですよね。皆さん同じ受講料で受けていただく形になります。でもご友人にはよろしくお伝えください」と返します。その方もあったらラッキーぐらいで聞いてくださっているので、「そうなのですね。分かりました」で済むのですが、いつももどかしい気持ちになってしまいます。ケアカレのことを勧めてくださった卒業生さんと、それによってケアカレに来てくださった縁ある生徒さんに感謝の気持ちは十分にあるのですが、受講料の割引という形で示すことはあえてしていないのです。

湘南ケアカレッジが友だち割引をしない理由は大きく2つあります。ひとつは、割引という金銭的な損得がなくても、普通にあの学校は良かったからと勧めてもらえるような学校であり続けたいからです。私たちは良いものを買ったり、素晴らしい体験をすると、そのことを誰かに伝えたくなります。おそらくケアカレの卒業生さんは、家族の食卓で先生方の面白さを語り、職場では同僚たちには湘南ケアカレッジという学校の良さを説き、地域のママさんたちや友人知人には学ぶことの楽しさを伝えてくれていると思います。その言葉を聞いて、楽しそうに語る表情を見て、湘南ケアカレッジに興味を持って、自分も行ってみたいなと思ってくれたら最高です。

 

もうひとつの理由は、せっかく卒業生さんが純粋にケアカレのことを勧めてくれたとしても、友だち割引という制度があることで、いつのまにか金銭のやり取りに話がすり替わってしまうことが嫌だからです。かつて私が大手の介護スクールに勤めていた頃、友人が当時のホームヘルパー2級講座を受けてくれました。講座修了後に、その友人と他の知り合いを数名誘って、ご飯を食べに行ったとき、その話になりました。その友人は貴重な経験ができたし、学びも大きかったという感想を持っていて、他の知人にもぜひ受けてもらいたいと語り出したのですが、途中から友だち割引制度の話になり、「このカードを申し込みの際に出すと5000円割引になる」とか「名前を出すと俺にも何かもらえるかもしれない」といつのまにかお金の話にすり替わってしまいました。研修の中身や学校の特徴、先生方の人間性などではなく、どれだけ割引があってお得かという話題に終始してしまったのです。知人たちがその後、ホームヘルパー2級講座を受けたという話は聞きません。

 

 

長々と述べてしまいましたが、言いたかったことは、良いものは割引制度があるなしに関わらず誰かに勧めたくなるということです。もちろん、私たちは感謝の気持ちを抱いていますので、誰からの紹介で来てくれたと分かっていたら、「〇〇さんのお友だちなのですね」と会話のきっかけになりますし、思い出話をしたりすることもできるかもしれません。生徒さんたちは、自分の友人を知ってくれているというだけで、学校に対して安心するのではないでしょうか。そして何よりも、勧めてくださった卒業生さんに恥をかかせないように、全力で授業をさせてもらいますし、一人ひとりの生徒さんたちと向き合っていきます。そうすることで、「あなたの言葉を信じてケアカレに行って本当に良かった」と言ってもらえることが、紹介してくれた卒業生さんにとっても勧められて来てくれた生徒さんにとっても最高の御礼になると思うのです。