
今年4月からスタートした「かいザニア」の講演イベント第1弾として、岩佐まりさんに「若年性アルツハイマーの母と生きる」をテーマとして語っていただきました。岩佐さんはおよそ10年前の卒業生であり、そこから介護塾を一緒にやってみたり(その後、彼女はご結婚されて大阪に移住されたり)と共に歩んできましたが、ようやく湘南ケアカレッジに招待して、講演していただくことが叶いました。しかも、「かいザニア」の講演イベントのトップバッターを務めていただき、嬉しい限りです。
岩佐さんが話してくれた内容は、介護の仕事をしている人にもそうでない人にも響くものでした。家族にとっても本人にとっても、いちばん辛い時期は発症して初期の段階であること、男性の介護者に虐待が多い理由、中核症状とPTSDについて、ケアマネジャーの重要性など、認知症に関する詳しい説明から接し方、考え方まで、介護職員初任者研修の授業でも話してもらいたいと思うほど、学びの深いものでした。やはり実体験に基づく創意工夫やアドバイスは説得力がありますし、岩佐さんは自ら学んで社会福祉士を取得していますから、理論と実践のバランスが取れていて、学びが深いと感じました。
お母さまが軽度認知症(MCI)と診断されてからスタートした、母娘の二人三脚の介護人生は、涙なしには語れませんが、そこに笑いを入れてくるのが岩佐さんらしく、介護は「自分の人生とともに歩む」というメッセージを体現していると思いました。
個人的には、休憩をはさんだ後のグループワークも興味深いものでした。「これからの介護に求めるもの」というテーマでした。ケアカレの卒業生さんが多かったこともあり、家族介護者だけではなく、介護職員の視点から出てくる現場の声にもハッとさせられました。介護業界の人材不足を指摘する点はどちらの側も同じでしたし、特に喀痰吸引研修1号と2号のハードルを下げて、喀痰吸引等ができる人を増やすことは喫緊の課題だと感じました。
湘南ケアカレッジのYouTubeチャンネルにて最初の20分は観ていただけますし、「かいザニア」のLINEに登録してくださると、講演の全編を観ることもできます。来月(5月)の講演イベントは、看護師YouTuberである藤田省一さんの「イラっとしない・させないコミュニケーションズ技術」です。アンガーマネジメントの応用編としてお話ししますので、よろしければお越しください!
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