
6月16日(月)、DonQo Hand 碧こと冨田みどりさん(ケアカレの卒業生)による「アロマテラピーを基礎から楽しむ」の講演イベントが行われました。参加者が全員女性という珍しいイベントでしたが、それだけ女性は香りに敏感であり、興味があるということでしょう。アロマストーンをつくりながら、アロマの歴史や精油とハーブウォーターの違い、精油の作成法や成分表について、基礎から教えてもらって、唯一の男性である運営の私も非常に楽しく学ばせてもらいました。特に香りのイメージングは面白く、香りにも多くの種類があり、それぞれに呼び起されるものが異なることを体感しました。
自分の香りの好みを知るために、8種類の精油の香りがしみ込んでいるムエット(細長い紙)を渡され、ひとつずつ香りを味わうように嗅いで、そこからイメージ(想起)される物や人、色、風景、思い出などを記していきます。小さい頃からアレルギー性鼻炎を患っている私は、それほど匂いに関して敏感なタイプではなく、どちらかというと鈍い方だと思いますので、他の人たちと比べるとイメージされる範囲も狭いはずですが、それでもあらゆる感情や思い出が蘇ってきました。
たとえば、7番目に渡された香りはハッカのそれで(あとでペパーミントの香りであることが発表されました)、小さい頃にハッカの飴が苦手だったことを思い出しました。友だちの家に行くと、飴をくれて嬉しかったのですが、たまにハッカの飴をくれることがあり、残念だと感じたあの嫌な感情が蘇ってきました。他の味の飴は甘いのに、なぜハッカだけ苦いのか、なぜスース―するのか、そしてなぜ皆は美味しそうに食べているのかが分かりませんでした。ある香りから昔の思い出が蘇ってくることを、「プルースト効果」と呼ぶそうです(由来は検索してみてください)。
私がいちばん好みだったのは、2番の柑橘系の香りでした。日本人の90%は柑橘系の香りが好きだそうですが、実は10%は嫌いな人もいるということです。これもプルースト効果が影響をしていて、ミカン農家で育った人が小さい頃に働かされた嫌な思い出が思い出されるという理由もあるようです。つまり、自分が好きだと思った良い香りも、嫌いな人もいれば、苦々しい思い出が浮かんでしまう人もいるということです。絶対的な良い香りなどはこの世に存在しないということでしょう。
認知症の人たちをリラックスさせる効果があるとされている香りもあれば、夜になると覚醒して歩き回ってしまう利用者さんを落ち着かせる香り、逆に日中は気分をシャキッとさせる効果のある香りもあると言います。アロマは薬ではないため効能をうたうことはできないのですが、その代わり、香りは副作用も少ないというメリットがあります。介護の現場でも試してみて、効果が感じられなければやめれば良いのです。もちろん、そのためにはアロマテラピーについてもっと深く学ぶ必要は出てくるはずです。
今回、アロマテラピーの基礎を学んだことで、奥深さも知りました。ハンドマッサージについても詳しく学びたい方も多くいて、いつかまたイベントでやってみたいなと思います。
かいザニアの講演イベントは今回でラストとなり、来月からはケアカレナイトが復活して、夜の時間帯(18:30~20:30)の開催になります。
7月31日(木) 介護技術のリスキリング―ベッド上での着脱・オムツ交換 小野寺祐
8月27日(水) 保護犬・猫×福祉のゆくえ 高木真備
9月24日(水) 緊急時の応急対応 村井毅
というラインナップを予定しております。
詳細は後日、発表させていただきますのでお楽しみに!